今回の『ぼちぼち くろブロ』では、
内密出産は問題の赤ちゃんポストの
メリットとデメリットを補完するか
について記事をまとめてみました。

熊本市の慈恵病院が
内密出産の受け入れ実施を
発表されました。
これは、赤ちゃんポストに次ぐ
社会問題への提言となりそうです。
赤ちゃんポストは
子の“出自を知る権利”が
保証されないことが問題でした。
この内密出産について
赤ちゃんポストとの違いや
メリット、デメリットなどなど
気になったので調べてみました。
目次
内密出産とは

内密出産って何?
それは、女性が何らかしらの原因で
妊娠を明かせない事によって
自宅や車中、トイレなどで出産する。
そうした孤立したケースで
赤ちゃんの遺棄や殺人といった
悲しい事件が度々起こりますね。
これら母子の命を守りたい
医療者の悲痛な思いとは裏腹に
なかなか内密出産制度への法整備が
進まない国の現状への苦肉の策です。
内密出産に反対?
熊本市の慈恵病院と言えば
赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)で
一躍話題となった病院です。
内密出産に反対の声が
上がっているのではなく
(あがってくるかもしれませんが)
この“赤ちゃんポスト”には
「子どもの出自を知る権利」が
保証されない問題点があるのです。
これらに対応する仕組みとして
内密出産制度を目指しているのです。
赤ちゃんポストとは?
何らかの理由で孤立した状態で
自宅などで出産した母親が匿名で
子どもを預け生命を守るシステムです。
しかし、匿名であるがゆえに
子どもには母親の情報が一切わからない
自分の出自が不明になるのです。
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慈恵病院の内密出産制度

内密出産の流れ
熊本市の慈恵病院の
内密出産制度を簡単にわかりやすく
以下にまとめてみました。
1.妊婦の母親は仮名で、
慈恵病院が妊娠中から相談を受ける
2.病院は熊本市に
母親の仮名と子どもの名前の候補を届け出る
3.母親は病院の仲介で児童相談所と面談
4.児相は、母親の実名、住所など、
子どもの出自につながる情報を管理する
5.出産すると
熊本市が子どもの単独戸籍を作成し、
子どもの名前を児童相談所に通知
6.児童相談所は
特別養子縁組のあっせんをし、
子どもは養親へ託される
7.養親は出産の費用を負担する
8.子どもが18歳を過ぎれば、
母親の情報が閲覧可能になる
9.母親が閲覧を希望しない場合は、
家庭裁判所に判断を委ねる
内密出産制度の問題
この内密出産制度の
メリットとデメリットについて
考えてみました。
いくつかあるのですが・・・
最終的に家庭裁判所の判断次第では
子どもの出自を知る機会が失われる
こともあり得るということ。
「子どもの出自を知る権利」が
家庭裁判所に委ねられてしまい
完全に補完されていないのですよね。
他にも
子どもの戸籍はどうなる?
特別養子縁組も問題が起こりそう?
そう考えてしまいますよね。
まずは、子どもの戸籍ですが
戸籍法では父母に出生の届け出の
義務があります。
母親の匿名性を保った場合
子どもが無戸籍になるのでは?
子どもが「棄児」とみなされないか?
子どもの単独戸籍は作れないのか?
色々と疑問が考えられますね。
法務局の担当者の見解
内密出産の子どもは
病院で出産しているので、
棄児(捨て子)とは異なります。
母親の名前が記載されない場合でも、
無戸籍になることはありません。
現行の戸籍法で対応が可能ということです。
単独戸籍が作成でき、棄児(すてご)には
ならないということです。
次に特別養子縁組の問題として
考えられるのが“不適切なあっせん”が
起こるのでは?ということです。
慈恵病院の内密出産制度では
児童相談所が特別養子縁組を
あっせんするとされています。
虐待等の問題でその対応の不手際が
取りだたされる児童相談所ですが
大丈夫でしょうかね?
本当なら、
個人情報を管理する専門機関と
特別養子縁組のあっせん専門機関に
委託したいところです。
こんなことも起こりうるかも?
中絶はしたくない。
でも、育てるのは無理といった親が
安易にこの制度を利用するケースも
出てくるのでは・・・?
まあ・・・かなりグレーな感じは
現状では歪めないですね。
国の制度として法整備が
早急に必要と思います。



内密出産制度があるドイツ

ドイツの内密出産制度
ドイツでは2014年5月1日から
内密出産制度が
導入されています。
ドイツの内密出産制度は?
1.性暴力や経済的事情などで
妊娠を知られたくない女性が対象
2.相談機関に実名を明かした上で、
医療機関では匿名で出産する
3.生まれた子どもが満15歳を迎えるまで、
母親の身元を内密にできる
4.子どもは16歳になると
出自証明書を閲覧できる
“出自を知る権利”が得られる
5.出自証明書の記載内容は
母親の名前、住所、誕生日
6.母親に何らかの不利益が生じる場合は
母親は情報開示を差し止めが可能
熊本市の慈恵病院との違いは?
妊娠相談所という専門機関があり
24時間年中無休で匿名相談ができる
妊娠相談所や病院、家庭裁判所などが
密に連携できる体制になっている
掛かる諸費用もすべて国が負担
完璧な制度に見えますが・・・
結局のところ、ドイツでも
“子どもの知る権利”と
“親の知られたくない権利”という問題は
残っているのです。
まとめ
いかがでしたか?
熊本市の慈恵病院の内密出産から
そのメリットとデメリットを
考察してきましたが
メリットと言えるのは
何らかの理由で明かせない出産を
安全に行える。
赤ちゃんの遺棄や殺人といった
悲しい事件を無くすことにつながる。
デメリットは現行の法制度の中で
できることを病院が主体で動かなければ
いけない現状であること。
なのでグレーと感じる部分もあります。
また、2014年から制度が確立して
注目されているドイツにおいても
“子どもの知る権利”と
“親の知られたくない権利”については
問題となっています。
法律の専門家でもケースによっては
判断が難しい問題かもしれないですね。
それでは、以上で
内密出産は問題の赤ちゃんポストの
メリットとデメリットを補完するか
についてのまとめを終わります。
最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
これからも ぼちぼち くろブロをヨロシク!
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