今回の『ぼちぼち くろブロ』では、
シン・ウルトラマンはプラトンの概念
成田亨はカラータイマーが嫌いだ
について記事をまとめてみました。

2021年に映画化される
『シン・ウルトラマン』に
カラータイマーが無いと話題ですね。
シン・ウルトラマンのデザインは
1983年に成田亨さんが描かれた
「真実と正義と美の化身」が
元になっています。
主要キャストは
斎藤工さん、長澤まさみさん、
西島秀俊さんの3人は決定しています。
1966年放送の『ウルトラマン』
55年の年月を経て成田亨さんが
追い求めた姿となったのです。
なぜ?カラータイマーが無いのか?
気になったので調べてみました。
目次
成田亨はカラータイマーが嫌いだ

成田亨はカラータイマーが嫌いだった
1965年
成田亨さんは美術スタッフとして
円谷特技プロダクション(現円谷プロダクション)の
契約社員になっています。
成田亨さんは
ウルトラマンやウルトラセブン、怪獣
などなど数々の人気キャラクターを
世に送り出したデザイナーです。
ウルトラマンと言えば
3分間のカラータイマーですよね。
そのウルトラマンの特徴の一つ
カラータイマーはデザインの段階では
存在しないものなのです。
なのでデザイナーの成田亨さんは
カラータイマーの存在を
非常に嫌っていたのです。
どうしてカラータイマーが
デザインに追加されたんでしょうか?
円谷特技プロ文芸部の発案で
成田亨さんのデザインに追加されたのです。
追加された理由は、
ヒーローのウルトラマンが
窮地に追い込まれるシーンを視覚的に
わかりやすくするためだったのです。
ウルトラマンの
ターゲットユーザーが
子どもたちだからです。
ウルトラマンの瞳にある“のぞき穴”
ウルトラマンの瞳の下部には
演者の古谷敏さんの視界確保のために
“のぞき穴”が開けられていました。
これも苦肉の策だったそうで
後に不本意だったことを認めています。
マスコミを招いたスチール撮影会で
視界を確保できないウルトラマンは、
円谷社長やマスコミ関係者の前に、
手を引かれてよろめきながらステージに。
その姿を見た成田亨さんは
休憩時間、控室にドリルを持ち込み、
苦肉の策として“覗き穴”を開けたのです。
シン・ウルトラマンには
瞳の“のぞき穴”はありません。
どのように視界確保されているのか
現段階ではわかりませんでした。
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シン・ウルトラマンはプラトンの概念

プラトンの概念って何?
成田亨さんは、
「美の巨人たち」成田亨『MANの立像』で
語っています。
突破口はギリシャの哲学者プラトンが唱えた
『混沌(カオス)と秩序(コスモス)』
という概念です。様々なパーツを合成する怪獣がカオスなら、
ヒーローは単純で美しいコスモスでなければならない。
そのコスモスとして生まれたのが、この姿です。引用元:「美の巨人たち」成田亨『MANの立像』
ウルトラマンは秩序の象徴として
“単純で美しい”というテーマで
作っていたのです。
人の身体にある余計なものを
削ぎ落とす作業を繰り返して
出来上がったウルトラマンの姿。
それが、成田亨さんの描かれた
「真実と正義と美の化身」です。
追い求めたウルトラマンの姿
最初から、余計なものを削ぎ落とした
単純で美しいウルトラマンの姿では
ありませんでした。
草案段階では、ウルトラマンも
異星から来た怪獣という設定だったので
「ベムラー」や「レッドマン」という
怪獣のようなキャラクターで描かれました。

そして、カッコイイ宇宙人へと
脚本家の金城哲夫さんが
コンセプトが変更されたのです。
最初に誕生したのは
角とヒゲを生やした宇宙人でしたが、
試行錯誤を重ねながら美しさを追求。
皆さんが知っている
ウルトラマンの姿になったのです。
シン・ウルトラマンは究極の姿
『真実と正義と美の化身』は
成田亨さんの追い求めた
究極のウルトラマンが描かれています。
これをモチーフにして
シン・ウルトラマンは制作されたのです。
成田亨さんが監修した、
佐々木明さんが制作したマスク。
成田亨さんが望んだ、
古谷敏さんの体型データがベース。
成田亨さんが望まなかった、
眼に“覗き穴”を入れない。
成田亨さんが望まなかった、
スーツ着脱用ファスナーに伴う
背鰭を付けない。
成田亨さんが望まなかった、
カラータイマーを付けない。
表面の地色が銀色というのは、
やっぱり宇宙時代的に、
銀色でいこうと思った。単純な、全く単純な発想です。
宇宙ロケットなんかからの連想です。体の線は、
やっぱりウェットスーツ
着たまんまだと人間になってしまう。どうしても。
それでも宇宙人だというから、
宇宙人らしくしなきゃいけないし、そのためにはやっぱり、
火星の模様を入れようかと思いついた。引用元:「成田さんの仕事」成田亨の言葉
時間を超越した目を、
ウルトラマンにはもたせたかったんですよ。そして、全身の皮膚感とのつり合いに
苦心しましたね。仮面でもなく、宇宙マスクでもない、
形として納得させられるものに
たどり着くまで悩んだんです。引用元:「ウルトラマン誕生」実相寺昭雄 著
ちくま文庫 成田亨の言葉
これらの成田亨さんが残された言葉も
シン・ウルトラマン制作において
重視されているかもしれませんね。
本日のTSUBRAYA CONVENTIONにて、『シン・ウルトラマン』の「ウルトラマン」ビジュアルが公開となりました!成田亨氏の『真実と正義と美の化身』がデザインコンセプトの原点。公式サイトでは庵野秀明のコメントが掲載されています。
#シン・ウルトラマンhttps://t.co/VQRMY5xbnL pic.twitter.com/L8yqt2hk9y— 株式会社カラー (@khara_inc) December 14, 2019




成田亨の怪獣三原則って何?

成田亨は人気怪獣も作成
ウルトラマンやウルトラセブン以外に
カネゴンやレッドキングといった
人気の怪獣も手がけています。
成田亨さんは怪獣を作成する時に
自分の中でルールを決めていました。
それが『怪獣三原則』なのです。
成田亨の怪獣三原則
1.怪獣は怪獣であって妖怪ではない。
だから首が二つとか、
手足が何本にもなるお化けは作らない。
2.地球上のある動物が、
ただ巨大化したという発想はやめる。
3.身体がこわれたようなデザインをしない。
脳がはみ出たり、内蔵むき出しだったり、
ダラダラ血を流すことをしない。
なぜ?怪獣三原則で制作したのか?
ただ妖怪やお化けのような
恐ろしさだけの見た目では
ターゲットの子どもたちに適さない。
怪獣をデザインする時も
カッコよさを追求したからです。
まとめ
いかがでしたか?
シン・ウルトラマンは
1983年に成田亨さんが描いた
「真実と正義と美の化身」が
コンセプトになっています。
カラータイマーも目の“のぞき穴”も
人の身体から余計なものを削ぎ落とした
美しい宇宙人の姿になっています。
2002年に成田亨さんは72歳で
この世を去っています。
天国から・・・いや宇宙から
シン・ウルトラマンの姿を
喜んでおられるのでは?
それでは、以上で
シン・ウルトラマンはプラトンの概念
成田亨はカラータイマーが嫌いだ
についてのまとめを終わります。
最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
これからも ぼちぼち くろブロをヨロシク!
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